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大手住宅メーカーの工場で大型機械にて部材を切り刻み、現場で図面通りに釘と金具で組み立てる製品化された家が主流になりました。しかし大消費の時代は終わりエコ・リサイクルの観点から100年以上住め地震にも大変強い、木組みの純日本建築の家が見直されています。
日本の伝統的建築工法を継承し、施主さんのためにも自らが納得ゆくすばらしい仕事をしたいと願う若き大工さんたちが全国にはまだまだ多数いるはずです。
その人たちが日本古来から受け継がれてきた緻密な木組み伝統工法を、そして細部に繊細な加工を施す造作の高い技術を、極めるためには木材が正確に切れる・削れるための高水準の手道具が必要なのです。
手造りの大工道具は電動化が進み需要が少なくなりましたが、兵庫県三木市には江戸時代からの伝統技術を引継ぎ「良い物を作りたい」との熱い思いを持った打ち刃物職人達がいます。
大正時代に祖父の初代順太郎さんから始まり、父の二代忠雄さんと、約80年の歴史を受け継ぐ三代目。順太郎さんは山林用、忠雄さんは大工用を中心に造ったが、光川さんは本職の大工用から趣味用まで幅広い。「本当に良い物を、いろいろな人に」と、プロアマの境なく、手作りの切れ味を提供している。
鋸鍛冶になって二十四年。高校卒業後、修行のために市内の別の鋸鍛冶に二年間弟子入りした。その間、給料なし。しかし、炭の割り方から歪みの直し方、目立てなど、全工程を身につける。理論や方法よりも体で覚え、二十歳までに鋸製造の技は「体に染み付いた」ほどになった。
2000年3月、三十八歳で市内最年少の伝統工芸士の認定を受けた。皇太子様が全国育樹祭でお手入れに使う枝切り用鋸の製作に携わり、今年11月の全国伝統工芸士会作品展で「三代光川大造作細工鋸五本組」が入賞するなど、腕は広く認められるところに。
「手作業を覚えたから、今がある」と、自らの手でつかんだ技術と自信から出た言葉に、力がこもっていた。
鋸の造りは白銀順太郎作と同じですが、メッキをせずに横引き目の刃先だけ特別に硬くする衝撃焼入れを施すことで従来にない長寿命を実現しました。 硬木・集成材などを切るのに適しています。
・衝撃焼き入れをしているので寿命が長い。
・耐久性はあるが硬すぎて目立てができない。
●用途:樫・桜などの広葉樹
・メッキがしてあるので錆に強い。目立てOK
●用途:杉・ヒノキなどの針葉樹
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